プール水の浄化とは、過マンガン酸カリウム消費量(有機物量)を低減することです。
光酸化促進反応処理(UVAOP)による過マンガン酸カリウム消費量の低減
光酸化システムは、プール水の汚れの指標である過マンガン酸カリウム消費量を低減させる装置です。
350m3プールであれば、約15m3時間のプール水をろ過装置出口よりバイパス配管で光酸化装置に呼び込み、浄化処理します。光酸化処理で過マンガン酸カリウム消費量を低減されたプール水は、再びプールへ循環されます。
同時にアンモニア性窒素分解、殺菌を行うことが可能です。
プール水浄化装置:過マンガン酸カリウム消費量が低減出来れば、遊離塩素の確保は簡単
本装置の目的は、プール水の浄化です。水がきれいになれば補給水量を減少させることが可能です。
- 汚れの指標となる過マンガン酸カリウム消費量を低減させ、アンモニア性窒素の分解、水の殺菌も行います。
- 光酸化装置は、オゾン処理に比べ安価で単純な機構です。
- ろ過の逆洗回数を減少させることが可能となります(水の入替え目的の逆洗が不要となります)
- アンモニアを分解しますので、アトピー性皮膚炎や充血の原因となる結合塩素(クロラミン)の生成を抑制します。
- 補給水の大幅な低減化が可能ですので、加温の為の燃料費が削減出来ます。
- 過マンガン酸カリウム消費量が減少すれば、ターン数も減らすことが出来、ポンプの小型化やインバーターポンプに変更すれば電気使用量の削減が可能となります。
- 結合塩素が低レベルになるので、建屋の腐食が減少します。
プール水の水質改善とは
プール水には残留塩素があることが定められています。単なる塩素ではなく遊離塩素です。水が汚れると有機物と遊離塩素とが反応し、結合塩素へ変化します。
水質の良いプールとは、最低限の遊離塩素が確保されている状態のことです。(義務付けされています)
現状、遊離塩素を確保し難くなれば、砂ろ過の逆洗を行うことが一般的です。逆洗を行うと逆洗・洗浄を行った分だけ水が捨てられ、新しい水が補給されるので、水質が平均化され良くなるのは当然です。
しかし、逆洗を繰り返すということは、補給水を入れていることと同じです。これでは水道料金、加温費用が上昇しますので、逆洗の時間を短縮するなどで対処しますが、新しい水が補給される量が少なくなるので水の汚れも早くなるだけです。
フローの概略
- 既存設備に右記の赤点線内の光酸化促進反応塔とラジカル反応塔を追加するだけです。
- 砂ろ過で処理された水は一部バイパスラインで光酸化ラインへ送ります。
- UVランプから発生するオゾンを独自仕様のオゾン溶解塔で溶解させ、有機物の一次処理を行います。
- 一次処理後に光酸化装置へ送り込まれ、アンモニア性窒素処理、有機物処理、殺菌が行われます。
- ラジカル活性炭塔へ送られ、最終有機物処理と残留塩素処理を行います。
- 熱交換器を通った主循環ラインの水と光酸化処理された水を合流し、再びプールへ送り込まれます。
※ラジカル活性炭の利用方法は、有機物の分解処理であり吸着処理ではありません。ライフは三年を目安にしております。
光酸化機器仕様表
WM1101-400 | WM1101-500 | WM1101-600 | WM1103-800 | ||
仕 様 条 件 |
プール水量 | ~100 | 100~200 | 200~300 | 300~450 |
周囲温度(℃) | 0~40 | ||||
周囲湿度(%) | 35~85 | ||||
運転 (㎥) | 運転時間(24Hr/日) | ||||
浄 化 装 置 仕 様 |
処理方法 | 光酸化促進反応方式(紫外線+オゾン・酸化剤+活性炭) | |||
処理水量(㎥/Hr) | 4.2 | ~8.3 | ~12.5 | ~18.8 | |
装置構成 | UVランプ方式 | ||||
ラジカル反応活性炭方式 | |||||
配管出入口 | 30A | 40A | 50A | 65A | |
製品重量 | 550 | 750 | 950 | 1,100 | |
運転重量 | 1,350 | 2,150 | 2,700 | 3,500 | |
設置寸法(W×D×H)(m) | |||||
電 源 仕 様 |
電源 | 3相 200V(50Hz・60Hz) | |||
受電容量 (KVA) | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 1.5 | |
消費電力 (KW) | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.75 |
オゾン処理法との比較表
主な比較項目 | 光酸化促進反応法 光酸化反応塔+ラジカル反応塔 |
オゾン処理法 オゾン+活性炭塔 |
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構造とメンテナンス性 | 水が流れるだけのシンプルな構造なのでメンテナンスは容易。 | 多種類の機器が必要な複雑な構造なのでメンテナンスは専門業者に委託必要。 | |
主な機器構成 | ①光酸化促進反応塔(オゾン発生紫外線 ランプ内臓、エアーコンプレッサー付属) ②活性炭塔 |
①PSA酸素発生器 ②オゾナイザー ③気液分離塔 ④排オゾン分解装置 |
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設 備 費 用 | シンプルなので安価 | 複雑なので高価 | |
ランニングコスト(参考) (450m3プールの場合) |
500,000円/年 (消耗部品費・活性炭廃棄費・作業費等) |
700,000円/年 以上 (消耗部品費・活性炭廃棄費・作業費等) |
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■薬剤費 ■動力費 |
プール水の残留塩素が少なすぎる場合やプール水の汚濁状態が酷い場合は、次亜塩素酸ソーダを少量追加添加します。 紫外線ランプとコンプレッサー、薬注ポンプのみ |
基本的に使用せず。高電圧が必要なので高価になる。 | |
安 全 性 | トリハロメタンや結合塩素などの有害副生成物の 発生がほとんど無い。 |
過酸化物や塩素化合物の生成有り。 | |
排オゾン処理 | 不要 | 必要 | |
活性炭の利用法 | 光酸化促進反応塔で、水中汚濁物(有機物など)を活性炭の細孔内にトラップ出来るように低分子化し、細孔内にトラップした有機物をラジカル(発生期の酸素種)で時間をかけて水と二酸化炭素へ分解・無害化する。 | ①余剰オゾンの分解。 ②一部有機物の吸着。 |
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活性炭の寿命 | 上記より長寿命 | 上記より光酸化法より短寿命 | |
配管、機器寿命 (オゾンなどによる腐食) |
低濃度オゾンなので腐食の心配がほとんど無く、この事により機器寿命は長い。 | 高濃度オゾンが発生するので、腐食の可能性有り。鉄配管はSUS又は塩ビ配管への変更が必要。 | |
処 理 能 力 |
有機物の分解 | ◎ | ○ |
脱臭 | ◎ | ○ | |
脱色 | ◎ | ○ | |
殺菌(レジオネラ等) | ◎ | ○ | |
臭気(結合塩素等) | ◎ | △ |
*注意:主循環装置としてろ過装置、塩素注入装置の設置が前提となります。