活性汚泥処理の曝気処理でDO値(溶存酸素量)が上がらない理由
現在のばっ気処理方法では窒素ガスとCO2ガスが超過飽和の状態に溶存した処理汚水になります。
(但し、表面曝気処理や酸素ガスばっ気処理は除く。)この様な処理汚水が一旦生成されると、ばっ気処理工程において多大なエネルギーが必要になります。下記の表は、通常の曝気処理における溶存ガスデータです。
排水処理/BOD対策
BOD超過対策での導入例(ランニングコストが大幅に削減出来ました)
ガス種 | 飽和値 | 汚水中の溶存値 | |
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N2ガス | 17.80mg/L | 48.62mg/L | 飽和値の2.7倍 |
CO2ガス | 0.58mg/L | 79.49mg/L | 飽和値の131.9倍 |
O2ガス | 9.56mg/L | 0.71mg/L | 飽和値の0.07倍 |
上記の溶存ガス分析から、従来の空気曝気方法では既に不要ガスが過飽和状態に溶解し、空気成分でいくらばっ気処理しても酸素ガス成分は溶解しにくい水質状態になっています。
汚水中に溶存する各気体の分圧と平衡する溶存濃度を超えた溶存気体は、常に空気層との界面(水中の気泡も含む)において放散はしていますので、N2とCO2の数値は上記程度の過飽和状態を保っていますが、もし、界面との放散量が少ない状態の場合は更に高い数値になります。また、炭酸ガスは窒素ガスに比べて約50数倍近く吸収溶解性がある為、炭酸ガスの溶存数値は上記の様な高い数値になります。
マイクロバブルやナノバブルなどでは、活性汚泥処理現場では効果が期待出来ない上、バブルを生成させるポンプの増設や電気料金が加算されます。
液膜式ガス置換:気泡からシャボン玉にすることにより、ガス置換効率が向上
酸素を消費している水生生物が生息している場所において、空気成分O2:20.9 N2:78.0 他:1.1)を用いて、従来方法の曝気を繰り返すと必ず窒素(N2ガスと炭酸ガスによるガス過飽和水になり、空気成分中の酸素ガス成分が溶解しにくくなる水質に変化します。
気体を液体に溶解させる時に、液体を液膜(シャボン玉状)にすると拡散律速に影響されず、効率よく気体を置換することが可能です。
気泡から液泡(シャボン玉)にすることにより、液体を薄い膜にして気体を効率よく溶解する方法です。液体を薄膜にすることで、酸素の供給と不必要な気体を(窒素など)放散させることが可能となります。
従来手法に比べ、N2ガスが液薄膜内に放散されるので、N2ガスの過飽和水になりません。従って、溶存酸素量が飛躍的に向上します。
活性汚泥処理の液膜処理でDO値上昇テスト(既設スクリーン処理水のバッチ式テスト)
複合ラグーンのDO 値は0 mg/L、ORP(酸化還元電位)は-15~21×10mv と嫌気状態になっています。活性汚泥法による排水処理はDO
が適正にあり、酸化状態になっていないと排水の浄化処理が行なわれません。この為、現地テストでは持込み機器によりDO 値が適正状態になるのかの確認。
テストで使用した水槽 | 液膜器設置状況 |
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テスト用水槽
700W×1400D×1600H(有効容量1,500L)
液膜生成器:5段×2式
水中ポンプ:処理量100L/min
エアポンプ:1台(吐き出し量120L/min)
エアーポンプで120L/min の空気を下部散気筒より散気。水中ポンプで水流を作り、槽内を時計回りに循環させる
スクリーン処理水 〈1.86mg/L〉 |
散気開始10min 〈5.52mg/L〉 |
散気開始20min 〈7.85mg/L〉 |
散気開始20min 〈スカム発生〉 |
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散気開始30min 〈9.21mg/L〉 |
散気開始40min 〈9.99mg/L〉 |
散気開始50min 〈10.43mg/L〉 |
散気開始60min 〈10.67mg/L〉 |
散気開始60min 〈スカムが溢れ出す〉 |
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DO は1 時間以内で |
AWA200は、設置するだけで新たな動力は不要です。既存の動力でDO値を確保、または既存の動力を省エネにすることが可能です。
気泡が水中を上昇する時に、従来から言われている気泡と水とが①接触する面積の広さや、②接触する時間の長さは、気泡内の気体が水に溶解するための重要な要素ではありません。
マイクロバブルでDO値(溶存酸素量)を増加させようとご検討されますが、多大な動力を必要としますので、液薄膜式が断然有利となります。
左がAWA-200です。ばっ気槽へ複数台設置させ、下部より曝気させると被処理水をガス溶存比O2ガス:37%、N2ガス:58%、CO2ガス+Arガス:5%(重量比)空気飽和割合に、常に近づけることが可能となります。
AWA-200の特徴は開口部が大きい為、液中の不純物による詰まりの影響が軽減されます。また、既存の設備に設置固定するだけで新たな動力は不要です。
発想の逆転。ガス置換を行えば省エネルギーに繋がりランニングコストが下がります
脱気された水にガスは溶解しますが、飽和状態の水はガスが溶解しにくい状態です。
- ブロワの増設をせずにDO値(溶存酸素量)を向上させることが可能です。
- 複数台のブロワをご使用の場合、運転台数を減少させる可能性があります。
- ガス置換効率が良いので省エネでDO値(溶存酸素量)を確保し、節電効果が期待出来ます。
- DO値(溶存酸素量)を確保し、ISOのコスト削減を可能とします。
20KWHのルーツブロワが1台停止すれば、年間170万円(10円/kwhで計算)の節約となります。
設置するだけです。AWAには駆動部分はありません。新たな動力は不要です
電力料金値上げが実施され、夏場には計画停電や節電でやむおえず活性汚泥用の空気(酸素)供給用のブロワーを停止や、あるいは運転台数を絞るなども想定されます。
排水処理設備を停止させた場合、未処理の排水を放流するわけにはいかないので、製造ラインを止めざるをえない可能性もあります。
活性汚泥処理など、排水処理設備の電力消費の大半は空気(酸素)供給用のブロワ等の電力です。
しかし曝気システムは大量のエネルギーを投入して空気(酸素)供給を行っていますが、投入されたエネルギーに対して十分な効果が得られていない状況です。
水中に気泡を入れるという考え方から、水中でガス置換を効率良くする液泡を作るという方向へシフトするだけです。AWA200は、既存の散気システムに設置するだけですので、新しい動力源は不要です。
右写真は、ディフューザーです。開口部が大きく負荷が掛かりにくい構造です。AWA200の場合は、これで能力が発揮可能です。
マイクロバブル&ナノバブル発生器
簡易オゾンマイクロバブル発生器
UVランプ式オゾナイザー
オゾンガス濃度約100ppm
カット野菜の殺菌で塩素が敬遠されるのは、反応による結合塩素の問題が一番です。オゾン水を利用する理由としては結合塩素が発生しないに尽きます。
しかし、オゾン水は殺菌水の状態である必要があり、また撥水効果がある部分には中々浸透しません。
オゾンマイクロバブルは微細孔に入り込み、オゾンによる殺菌を直接行います。
NOxを生成しないオゾナイザーとマイクロバブル発生器BT-50の組み合わせで洗浄を行うと相乗効果があります。
BT-50 1個15L/min程度
マイクロバブル発生器が複数個必要な場合も単品でご購入頂けます。
ヤフーショッピングでもご購入頂けます。
弊社への直接のご注文ではご入金後発送と着払いのみ。