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クリプトスポリジウム対策紫外線水殺菌(UV流水殺菌装置)

クリプトスポリジウムとは
哺乳類、鳥類、は虫類などの消化管上皮に寄生する原虫で、牛の消化管に寄生するものは人への感染性があります。感染源であるオーシストは大きさが4~5ミクロンと小さく、通常消毒に使用される塩素では不活化できないため、水道水に混入して人の集団感染となる。下痢症・腹痛・発熱・嘔吐などの症状を引き起こす原因となる原虫。塩素消毒には非常に抵抗力が強く効果が無いが、紫外線には10mJ/cm2程度の紫外線量で、不活化が出来る。10mJ/cm2の紫外線量とは照射時間が1~2秒で得られる程、わずかの線量なので、紫外線の効果の高さが分かります。
伏流水・地下水を原水とする水道におけるクリプトスポリジウム対策として、厚労省の厚生科学審議会生活環境水道部会(水道に関する学識経験者の最高諮問機関)は、2006年(平成18年)8月4日に、「クリプトスポリジウム等対策の考え方」 「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針(案)」を提示しました。その中に紫外線処理を推奨する記述があり、これによって紫外線処理設備をクリプトスポリジウム・ジアルジア等の対策に適用できるようになりました。その中で紫外線を適用するときの条件として、下記三項目が挙げられています。

紫外線の照射量が常に処理水量の95%以上に 10mJ/cm2以上であること
処理対象水の濁度が2度以下であること
紫外線強度計及び原水の濁度を常時測定する濁度計を備えること


99.9%殺菌に必要な紫外線量

菌種 紫外線量
大腸菌 5.4
赤痢菌 4.3
黄色ブドウ球菌 9.3
枯草菌(芽胞) 33.2
レジオネラ菌 3.0
クリプトスポリジウム 10.0
紫外線露光量=紫外線照度×照射時間: 単位:mJ/cm2=mW/sec/cm2

井水など地下水を利用されている場合はご検討下さい

クリプトスポリジウムは特別な存在ではありません。ある特定の場所にしかいないということはなく、大腸菌が検出される水には大腸菌1000に対して1は存在しています。上記に記載している通り、クリプトスポリジウムは塩素では不活性化しません。紫外線では、10mJ/cm2照射することにより不活性化の状態になります。
現在、公共の浄水場は団塊の世代に突入しようとしています。ここ数年で更新の時期を迎えます。
クリプトスポリジウムの対策をこの更新で実施する見込みです。対策方法は、クリプトスポリジウムが通過出来ない膜処理か?紫外線照射処理か?
イニシャルコストとランニングコストの問題ですが、圧倒的に紫外線処理の方が有利です。

弊社では、一般の紫外線流水殺菌装置のみのご提案です

この一般の紫外線流水殺菌装置とクリプト用の殺菌装置は違いについて
UVセンサーの有無。正常に紫外線照度が発生しているかの監視用です。一般用の流水殺菌装置は、ランプ切れを起こせば、ランプ切れ信号により全停止が可能なようにプログラムが可能です。

自動洗浄装置の有無。これは、紫外線ランプを装着させている石英製の保護管に付着するものを定時間隔で自動的にワイパーでかきとる装置です。一般用の紫外線流水殺菌装置では、水中に浸漬した保護管に鉄・マンガン・硬度分など付着する恐れのある成分がある場合は自動洗浄装置が必須です。
しかしクリプト用と謳われる紫外線流水殺菌装置は、鉄・マンガン・硬度・有機物なども水道水基準値をクリアした水の最終段階に設置されるものであり、ランプ保護管に付着するとは考えにくいです。

一般的に殺菌目的で紫外線流水殺菌装置を導入する場合の対象とする菌は、枯草菌芽胞です。上記の99.9%殺菌に必要な紫外線量をご覧下さい。